サンプリングが楽しくなる!New Sonic Artsのループスライス・サンプラー『Vice』がオススメ。
ごきげんよう、みなさん。最近サンプリングしてますか?僕はといえば、それはもう根っからのサンプリング好きでして、ブレイクビーツはもちろん、インストだってどんどん切り張りして楽曲制作に使ってしまいます。古いソウルやジャズをネタ使いしたヒップホップやドラムンベースだって大好き!
そんな筆者にピッタリのサンプラーが、この度New Sonic Artsから発売されましたので、さっそくご紹介したいと思います。その名は『Vice』!ただのサンプラーと思うなかれ。このViceはサンプリング素材を手軽に扱うことに特化した設計になっていて、素材のカットアップ(切り張り)が本当に簡単にできちゃいます。特に目新しいことが出来るわけではありませんし、サンプラーとしては必要最低限の機能しかありません。(KONTAKTやHALionのような多機能・総合サンプラーには比べるべくもありません。)しかし、この「手軽さ」こそが本機最大のウリなのです!
オーディオ編集やサンプラーを駆使して楽曲を作ったことのある方ならお解りかと思いますが、サンプリングはとにかく下ごしらえが大変です。素材を読み込んで、スライスポイントを設定して、サンプラーにアサイン(割り振り)してとやっていると、いざ準備が整ったころにはすっかりやる気が失せてしまった、なんてこともしばしば。つづきはまた明日にしようとDAWを閉じ、代わりにビールのプルタブを開けてしまった経験が、あなたにもきっとあるでしょう。
そういった諸々の手間から解放してくれるのがこの『Vice』なんですね。基本的な使い方は、好きな素材をドラッグ&ドロップで読み込ませるだけ。スライスやアサインも自動でおこなってくれるので、次の瞬間にはカットアップが演奏できます。もちろん後からスライス単位での調整や、スライスポイントの変更なども簡単にできますし、そのたびにアサインをやり直すような煩わしさもありません。
というわけで、筆者もViceを使って一曲作ってみました。Herbie Hancock『Speak Like a Child』に収録の「the Sorcerer」を元ネタに、Juke/Footwork的なトラックを組んでいます。併せて元曲も貼っておきますので、是非、聴き比べてみてください。
サンプリングしたのは0:38までの前テーマの部分ですが、元曲とは全く違った楽曲に生まれ変わっているのがお分かりいただけると思います。筆者自身も、自動でアサインされた鍵盤を前にフレーズを探りさぐり制作したので、実際にどの部分をどの様に使っているのか全く把握できていません(笑)こういったカットアップをオーディオ編集やサンプラーで組むとなると、かなりの手間ひまがかかりますが、Viceを使用することで通常の半分くらいの時間でループを組むことができ、なおかつ感覚的に作業することができました。カットアップの部分だけなら、読み込みから完了までおよそ2時間ほどで済んでいます。
手軽にカットアップが扱えるViceは価格も13,000円と控えめなので、サンプリングをよく使うヒップホップやドラムンベースなどのトラックメイカーに是非ともオススメしたい一品です。もっとViceのことをよく知りたいという方には、下記の動画やこおろぎさんちの紹介記事が詳しいのでご参照ください。最後までおつきあいいただき感謝!m(_ _)m