2015年イチオシアルバムベスト5!

2016年、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします!m(_ _)m

 

昨年を振り返ってみれば、日本の音楽業界はサブスクリプションサービス元年と言える年でしたね。米IT御三家AppleGoogleAmazonや、ポピュラーミュージックのメインリスナー層である10代、20代を多く抱えるLine、エイベックスとサイバーエージェントが仕掛けるAWAなどのサービスインで、その様相は早くも百花繚乱。その普及率はまだまだ芳しいとは言えないようではありますが…。

しかしながら、 こうしたサブスクリプションサービスの登場が、今後の音楽流通に大きく影響してくるであろうことは自明の理。SpotifyやPandoraといったサービスが猛威を振るう欧米市場では、早くもCDでのリリースがない作品が増えてきました。筆者がチェックしていたものの中では、2014年のメジャーデビューアルバムでポップシーンを沸かせたFKA twigsの最新EP『M3LL155X』や、ドラムンベースの大御所Breakの『Simpler Times』、ドラムンベース発のヒップホップユニットIvy Labの1st LP『20/20』などなど。これらはいずれもレコードとダウンロードでの販売となっており、洋楽のCDメディアからの脱却がいよいよ始まった事を実感させられました。

 

そんな世相に逆行するかのように、筆者が購入した2015年リリースのCDアルバム30枚!今回はその中から、厳選に厳選を重ねたベスト5をご紹介したいと思います。

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Lynx / I Am Lynx

ドラムンベースの革命児Lynxが老舗Hospital Recordsから放った渾身の一作。これまでのLynx関連作に比べると全体にポップさが増した印象ですが、彼らしい捻れ具合と、オールドスクールへの憧憬も相まって絶妙なバランスに仕上がっています。昨年11月にリリースされたRockwell『Obsolete Medium』とも共通する、シンプルでシンボリックな音像は、今後のドラムンベースシーンの行方を左右する作品になるかも?

I Am Lynx

I Am Lynx

 

 

Swindle / Peace Love And Music

ダブステップの名門Deep Mediからの1st『Do The Jazz』が大きな波紋を呼んだSwindle。そんな彼の2ndはダブステップのフォーマットを踏襲しながらも、ジャズやソウルのフレイバーをふんだんに盛り込んだ、ポピュラーミュージックシーンにもリーチする内容になってます。先に紹介したLynx『I Am Lynx』もそうですが、昨年あたりからUKベースミュージックには「ポップ」というキーワードが見え隠れするようになったと筆者は感じており、これもまたエポックメイキングな作品になりそうです。

ピース・ラヴ・アンド・ミュージック

ピース・ラヴ・アンド・ミュージック

 

 

Modestep / London Road

ロックとダブステップを融合させたバンドModestepの2nd。本作のインタビューで彼らのリーダー的存在であるJosh Friendが「かつて俺たちを刺激したアーティストたちと作りたかったんだ。そのころのヴァイブを取り戻したかった。」と語っている通り、FuntCaseやTeddy Killerz、Culprateといったダブステップの中でも特にブロステップ(Brostep)と呼ばれるジャンルのプロデューサーが名を連ねています。しかし、本作はそんなアプローチとは裏腹に、懐古主義におちいることなく、よりアグレッシブでストリート感覚にあふれたModestepの新たなる一面を描き出すことに成功していると思います。

London Road

London Road

 

 

 

Dego / The More Things Stay The Same

00年頃にウエスト・ロンドンを中心に興ったブロークン・ビーツ。本作はそのムーブメントのオリジネイターであるDegoのソロ名義での2作目にあたります。これまで氏の関連作を聴いてきた筆者にとっては、これといった目新しさこそないものの、時代に合わせた音像で自身のサウンドを着実にアップデートする堅実な内容。昨今のUKガラージの再興やフューチャーベースの勃興、新世代ジャズの盛り上がりなどと相まって、そのフューチャリスティックなサウンドは、むしろ今こそ新鮮に響くのではないでしょうか。

The More Things Stay The Same (ザ・モア・シングズ・ステイ・ザ・セイム)

The More Things Stay The Same (ザ・モア・シングズ・ステイ・ザ・セイム)

 

 

 Jlin / Dark Energy

ジューク/フットワークがPlanet Mu のコンピ『Bangs & Works Vol.1』で世界的に認知されるようになってから今年で5年。キーパーソンであるDJ Rashadを喪って、やや停滞気味だったシーンが新たな才能を送り出してきました。そのサウンド最大の特徴は、アフロ・アメリカンである彼女のルーツを想起させる、アフリカンパーカッションの大胆な導入にあると思います。元々アフロ・ポリリズムがジュークの技術的要素でもありましたので、これは相性が良くないハズありません。またCLAP! CLAP!やNozinjaが世界的な注目を集める昨今、2016年はエキゾチカがより一層の盛り上がりを見せるかもしれませんね!

Dark Energy [ボーナストラック収録+インタビュー付き]

Dark Energy [ボーナストラック収録+インタビュー付き]