2014年の個人的イチオシアルバムベスト5!

今年はポスト・ダブステップやらポスト・チルウェイブ、アンビエントR&Bなんて呼ばれていたよく解らないシーンが、トラップやジュークなんかも巻き込んで、さらによく解らない事になってきた年だったと思います(笑)個人的には歌を中心に据えた作品をインディR&B、インストが中心の作品をフューチャーベースと勝手に区別してますが、どちらもトラックの作りはよく似ていて、ベースミュージックの新しい潮流として一緒くたに聴いてます。この混沌とした状況はオンライン・アンダーグラウンドの動きが表層化してきたために、これまでメディア主導だったジャンル分け(言うなればレッテル貼り)が、いよいよ機能しなくなってきた事の表れではないかと考えますが、いずれにせよこの新しい場の出現は次世代の音楽のクリエイションに大いに貢献していると言えるでしょう。話を元に戻して、それでは筆者が2014年に購入したCDアルバム35枚の中から、特にお薦めの5枚をご紹介させていただきます。

 

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FKA twigs / LP1

今年の台風の目と言ったらこの人、FKA twigs!昨年リリースのデビューEPは先ごろアルバム『Xen』をリリースした気鋭のトラックメイカーArcaをプロデュースに迎え、海外のメディアが大絶賛の大盛り上がりだったよう。今作ではArcaの参加は2曲と控えめに、よりキャッチーで聴きやすい印象になっていますが、ポスト・ビョークと称されるその抽象的で先鋭的なサウンドスケープは、先述した2014年のシーンを象徴するかのようでした。

LP1

LP1

 

 

A/T/O/S / A/T/O/S

UKのダブステップレーベルDEEP MEDiから突如届けられた、歌ものダブステップアルバム。フロア志向なDEEP MEDiにしては珍しく、抽象的で儚いサウンドスケープはホームリスニングにもピッタリです。叙情的に歌いあげられる美しいメロディとスリリングなビートの隙間から垣間見える、ブリティッシュ・ダブの漆黒の闇に獲りこまれてしまいそう。

A/T/O/S [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRDM009)

A/T/O/S [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRDM009)

 

 

Submotion Orchestra / Alium

クラブジャズ×ダブステップというコンセプトを掲げ、ジャイルス・ピーターソンをはじめとした有名DJのお墨付きを得て、華々しくデビューしたSubmotion Orchestraの3枚目!今やダブステップのビートにソウルフルな歌声を乗せるアプローチは珍しいものではなくなってしまったが、その経験値に裏打ちされた安定のクオリティは最早、大御所の貫録。今作は生音志向な1stと、エレクトロ寄りな2ndのちょうど中間といった趣で、その辺りの匙加減も絶妙です。

Alium [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC448)

Alium [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC448)

  • アーティスト: SUBMOTION ORCHESTRA,サブモーション・オーケストラ
  • 出版社/メーカー: Beat Records / Counter Records
  • 発売日: 2014/11/26
  • メディア: CD
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Krewella / The Future Sound Of EDM

Ministory of SoundからリリースのKrewellaによるミックスCD。今年のEDMはDeadmau5のベストアルバムや、アルバムが待たれていたSkrillexやKnife Partyといった代表的なアーティストのリリースもあって大いに盛り上がったのではないでしょうか。ここ日本でも世界的なEDMフェスであるUltra Japanが開催され、EDMというワードはポピュラーなものになりました。このミックスCDは現在のEDMシーンの雰囲気を手早く知ることのできる格好の1枚。

Future Sound of Edm

Future Sound of Edm

 

 

V.A. / Platinum Breakz 4

ドラムンベースにとっての今年は、現シーンを代表するレーベルが10年周年、15年周年を迎えた節目の年だったと思います。それだけに過去の名曲をリマスタリングした記念コンピレーションのリリースが多かった印象ですが、そんな中にあって20年の歴史を誇る最古参レーベルMetalheadzのリリース群には耳を惹かれました。本作はLenzmanやOm Unit、Ulterior Motiveといったアーティストアルバムとともに届けられた、久しぶりのレーベルコンピレーション。大御所から新進気鋭のアーティストまで取り揃えた幅広いラインナップは、この先もシーンの牽引役として先陣を切ろうというレーベルの意気込みを感じさせます。

Platinum Breakz Vol 4

Platinum Breakz Vol 4