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差別化とは違和感である?ボカロPのためのセルフプロデュース講座

今回はセルフプロデュースについてのお話。“講座”なんてタイトルを付けましたが僕自身がボカロPとしては暗中模索の身ですから、人様にお教えするなんておこがましいにも程がある!ということで、僕の思索にお付き合い頂きながら、よろしければ一緒に考えてみて下さい。

 

ビジネスにおいては競合他社との差別化を図りましょう!なんて話をよく聞きますが、この高度情報化社会、一億総クリエイター時代においては、アーティストも自身の差別化を図らなければならないと感じます。自分が一消費者の立場に立った時、日々どれだけ多くの情報を浴びて、またどれだけそれをスルーしているかを思い出して下さい。友人が作った曲ならばまだしも、ツイッターのタイムラインによく知らないアーティストの曲のURLが流れてきたら、9割方スルーではないでしょうか?これは無理からぬことだと思います。SNSで紹介される曲をいちいち聴いていたら、ただでさえ少ない余暇なんてあっという間。時間がいくらあっても足りません。じゃあ、そんな忙しい消費者に自分の曲を聴いてもらうにはどうしたらいいでしょう?当然、それには他には無い特徴、興味を引きつけるアピールポイント、つまりは“差別化”が必要になってきますよね。

 

僕自身は普段、BeatportSoundCloudドラムンベースダブステップをちょいちょいチェックするくらいで、あとはツイッターで友人がオススメしているもの、RTで回ってきたものの中から、特に気になるものを聴いてます。不特定多数の人達に聴いてもらうためには、この“特に気になるもの”が大事だと思うんですよね。何故その楽曲が気になったのか?それを考える事でヒントを得られるかもしれません。以下に最近、僕自身が「聴いてみようかな?」と思わされ、実際に動画を視聴したアーティストを挙げてみました。

 

デジタルの代名詞のようなダフトパンクの曲を、アカペラで再現したペンタトニックス。

キツネは何て鳴くの?という、しょうもない歌詞が話題になったEDMユニット、イルヴィス。

ボサノバとヘヴィメタルを大胆にも融合したウアスカ。

10代の女の子達がヘヴィリフをバックに歌い踊るBABYMETAL。

ボカロ曲を和楽器で“演奏してみた”和楽器バンド。

ここに挙げたどれもが明確なアピールポイントを持っていますよね。人に紹介する際にも、その特徴を簡潔に言い表す事が出来るので伝わりやすい。その実、これらはツイッターのタイムラインで見かけたり、リンクのタイトルに惹かれたりして出会った曲ばかりです。忙しい現代人には長い紹介文を読んでいる暇はありません。リスナーが普段の生活をしながら何気なく目にする一文に、楽曲の命運が懸かかっていると言っても過言ではないと思います。

 

とはいえ、ここまで明確な差別化をDIYでやるのは難しいかもしれませんね。それじゃ、僕らにも気軽にチャレンジ出来る差別化って何でしょう?「打ち込みをアカペラで再現」「今風のサウンドに変な歌詞」「ボッサとヘヴィメタルの融合」「アイドルなのにヘヴィメタル」「ボカロ曲を和楽器で演奏」これらに共通する要素は“ギャップ”であり、それに由来する“違和感”だと思うのです。

 

比較的、後発組の有名ボカロPさんに、きくおさんという方がいらっしゃいますが、下記のインタビューでこんな事を話していました。よろしければ動画も併せてご視聴下さい。

AnitaSun NHKの「みんなの歌」みたいなPVがいきなり出てきて、手描きで何かすごいなぁと思っていたら、あ!死んだ!!、血だ!!!って(笑)。

きくお あれはまだ動画を投稿しても1万再生もいかない時代で、勝負をかけるためにインパクトの強い内容でいったんです。

AnitaSun その考え方こそセルフプロデュース中のセルフプロデュースですよ! 例えばそういう事考えるのがプロデューサーって言うんですよ!

この曲が投稿された2011年当時というのは、まさにボカロブームの真っ只中で、毎日数百曲というペースで新曲がニコ動に投稿されていた時期です。そんな数多の楽曲の中で、この曲はひときわ異彩を放っていました。僕がこれを聴いたときの第一印象は「このPさんは大丈夫だろうか?心の病なんじゃないだろうか?」というものでしたが(失礼)、それゆえに強烈に印象に残りました。可愛らしい絵柄と楽曲に、不穏な歌詞というギャップ。ミクさんの歌うメロディもどことなく歪で危うげです。先に上げたアーティストのような“明確な差別化”とはいかないまでも、そこには確実に違和感がありました。

 

僕らが目指すべき“差別化”は、まさにこれだと思います。まずは熱心なリスナーさんが違和感を覚えるような何らかの仕掛けがない事には、それ以上は広がっていきません。「イイ曲だったよ!」「GJ」というコメントを頂いて終了です。(それだって十分にありがたい事ですが。)ヘビーリスナーさんが思わず他の人達に話したくなるような、そして言葉にしやすく解りやすい“違和感”が必要なのだと思います。

 

それで具体的な方策ですが……何かありませんかね?(*´﹃`*)これは僕自身の課題でもありますので、皆さんも是非、考えてみて下さい。何か良い案が浮かんだらこっそり教えて下さいね!