#AQUANAUTS vol.21とMAKOTOさんのこと。

筆者がレジデントDJとして参加するリキッドファンクイベント『AQUANAUTS vol.21』が、来たる9/16(土)16時から早稲田は茶箱にて開催されます。今回はゲストに練乳さん、Takeyukiさんをお迎えしてお届け!ゆめゆめ見逃すなかれよ(๑˃̵ᴗ˂̵)و

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さてさて、毎度AQUANAUTSの告知とともにお届けしているリキッドファンク紹介コラム。本コラムでは「リキッドファンク?なにそれおいしいの?」という方のために、様々な切り口で、その魅力的な楽曲の数々をご紹介しています。今回は最新アルバム『Salvation』をリリースしたばかりの、日本が誇るドラムンベースプロデューサーMAKOTOさんにフォーカス。氏の足跡を、ちょっとだけ筆者の思い出も交えながら紹介したいと思います。

 

90年代後半、ソニー傘下のSMEJ Associated Recordsからリリースされていたドラムンベースコンピレーション『Future Soul 003』に収録されていた本作が、筆者にとってはMAKOTOさんの楽曲とのファーストコンタクトでした。ネットはまだパソコン通信と呼ばれていた頃で、とにかく情報が少ない時代。10代だった筆者はトラックリストを見て「なんだか日本人っぽい名前のプロデューサーさんがいるな。きっと日本びいきな外人さんなんだろうな」なんて、間の抜けたことを思っていた記憶があります(笑*1

 

インテリジェント・ドラムンベースの重鎮LTJ Bukemu率いるGood Looking Recordsから、2003年にリリースされた記念すべき1stアルバム『Human Elements』*2。リードトラックであるこの曲はCleveland WatkissをVoに迎えた、氏のソングライティングが光る一曲です。このアルバムタイトルは、現在ご自身が主催するレーベルやイベント名にも引き継がれていて、MAKOTOさんにとってクリエイションをする上での大きなテーマなのだろうと推察します。

 

古巣のGood Looking Recordsを離れ、自身のレーベルHuman Elementsからリリースされた3rdアルバム『Souled Out』からのリードトラック。アルバムの発表当時、J-WAVEでこの曲がよくかかっていたのを覚えています。ドラムンベースの楽曲がラジオから流れてくることなんて滅多にないことでしたから、筆者はこの曲がかかるたび勝手に誇らしい気持ちになっていました(笑)BPM170前後の16ビートがセオリーのドラムンベースにおいて、さり気なく8ビートが採用されており、表拍が強調されているせいか、ややハネているようにも聴こえる、ちょっとトリッキーな曲でもあります。秀逸!

 

日本のジャズバンドJABBERLOOPによる「Untold」のカバーで、AQUANAUTSでも大人気の一曲です。なんでしょう、このエモさ。管楽器隊の豪奢なサウンドの中にも、哀愁を感じさせるメロディが光る、祝祭感とノスタルジーを併せもつ稀有な名曲です。イベントのクライマックスにかければ「まだ終わりたくない、ずっとこのまま踊っていたい」と名残惜しい気持ちにさせらてしまうこと請け合いのエンディング定番曲!

 

最後に、先ごろドラムンベースの名門レーベルHospital Recordsからリリースされたアルバム『Salvation』からのリードトラックです。MAKOTOさんお得意のソウルフルかつきらびやかなリキッドファンクに、レトロなシンセサウンドを伴ったフューチャリスティックな仕上がり。本アルバム全体に通底する雰囲気を象徴しているかのようです。氏の集大成ともいえる、豊かな音楽性と経験に裏打ちされた『Salvation』是非とも、一人一枚お手に取っていただきたい大傑作ですぞ!

 

いかがだったでしょうか。ちょっと余談が過ぎましたが、AQUANAUTSでは今回ご紹介したような楽曲を、いっぱいプレイします。本記事をご覧になって「リキッドファンクって素敵!」と思った方は、ぜひぜひイベントにも足をお運び下さい。お待ちしてますm(_ _)m もっとリキッドファンクについて知りたい、聴いてみたいという方は、下記の関連記事にもお目通しいただければ幸いです。

*1:だって当時の和製ドラムンベースといえばRam Jam WorldCOLDFEETが代表格でしたから、まさかこんなに洗練されたアートコアを作る(まだほとんど無名の)日本人プロデューサーがいるなんて思いもよらなかったのです!

*2:筆者はこのアルバムジャケットをみて「やっぱりMAKOTOさんって日本人だったんや!いやいや、日系英国人かもしれないぞ」なんて、まだ半信半疑でした。

#AQUANAUTS vol.20 とAlix PerezとSpectraSoulのこと。

筆者がレジデントDJとして参加する『AQUANAUTS vol.20』が、来たる7/12(土)16時から早稲田は茶箱にて開催されます。今回はゲストにFukaさん、ASSHIさんをお迎えしての記念すべき20回目!ゆめゆめ見逃すなかれよ(๑˃̵ᴗ˂̵)و

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AQUANAUTS vol.20 | 音楽喫茶 茶箱 sabaco music&cafe

 

さてさて、毎度AQUANAUTSの告知とともにお届けしているリキッドファンク紹介コラム。本コラムでは「リキッドファンク?なにそれおいしいの?」という方のために、様々な切り口で、その魅力的な楽曲の数々をご紹介しています。今回は、リキッドファンクの中でも深い音像をもった、いわゆるディープ・リキッドにフォーカス。このシーンを代表するAlix PerezとSpectraSoulの楽曲をピックアップしてみます!

 

Alix Perezによるレーベル1985 Musicと、SpectraSoulのレーベルIsh Chat Musicの連名で、今年4月にリリースされた最新EP『Synergy』からの一曲。こういった静謐で美しいトラックこそ、彼らの真骨頂と言えるのではないでしょうか。ともするとシンプルでやや地味な印象を受けますが、フロアで鳴らしてみれば、しっかり機能する低音を伴っており、そこがディープ・リキッドと呼ばれる所以ではないでしょうか。

 

2013年にリリースされたAlix Perezの2ndアルバム『Chroma Chords』のリードトラック。ボーカルにD.Abloを迎えた、彼らしいがソングライティングが光る一曲です。爽やかで涼しげな雰囲気が、今の時期にピッタリですね。

 

あまり注目されることがありませんが、個人的には数あるSpectraSoulの楽曲の中で、一番リキッドファンクしている一曲だと思います。ソウルフルでありながら体温の高すぎないボーカルと、深く、ひんやりとした音響のバランスが絶妙な、ディープ・リキッドの隠れた名曲です。

 

Alix PerezとSpectraSoulのコンビといえば、やっぱりこの曲は外せない!2009年にリリースされたAlix Perezの1stアルバム『1984』に収録された本作は、同時期にリリースされたLenzman「Ever So Slightly」と共に、新時代の到来を予感させました。8年も前の楽曲ながら、未だその輝きを失わないエバーグリーンな名曲です。クラシック!

 

いかがだったでしょうか。AQUANAUTSでは今回ご紹介したような楽曲を、これでもかとばかりにプレイします。本記事をご覧になって「リキッドファンクって良いじゃん!」と思った方は、ぜひぜひイベントにも足をお運び下さい。お待ちしてますm(_ _)m もっとリキッドファンクについて知りたい、聴いてみたいという方は、以前の記事にもお目通しいただければ幸いです。

#AQUANAUTS vol.18 とRowpiecesのこと。

筆者がレジデントDJとして参加する『AQUANAUTS vol.18』が、今週末3/18(土)16時から早稲田は茶箱にて開催されます。今回は静岡からマスミセッションさんをお迎えし、いつもVJをやってくれているCoNoSyuNyaもDJで参戦!VJ陣はCtrl+Aからcyanさんとスキアマキさんに手掛けていただきます!ゆめゆめ見逃すなかれよ(๑˃̵ᴗ˂̵)و

 

さて、毎度AQUANAUTSの告知とともにお届けしているリキッドファンク紹介コラム。全ては「リキッドファンク?なにそれおいしいの?」という方を少しでも減らすために、本コラムでは様々な切り口でリキッドファンクをご紹介しています。今回は、前々回に引き続きプロデューサーに目を向けてみましょう。取り上げるのはLIQUID VとFokuz Recordings(またその傘下のCelsius Recordings)などを中心に精力的な活動を展開するRowpiecesです! 

 

まずはLIQUID Vからの最新EP『THE LOVE CONNECTION』からのリードトラック。Rowpiecesらしい、ソウルフルでジャジーなボーカルトラックです。こういった華やかでスムースなサウンドこそ氏の真骨頂といえるのではないでしょうか。筆者の敬愛するMr Josephにも通じる、オールドスクールな質感のブレイクビーツもたまりません!

 

Rowpiecesが主催するSoul Bros. Recordsからも一枚ご紹介しておきましょう。A面のインストトラック、B面のボーカルトラック共に、やはりジャズやソウルからの影響を色濃く感じさせますね。現在はLIQUID VとFokuz Recordingsでのリリースが中心になっている氏ですが、自身がA&Rを手掛けるSoul Bros. Recordsも有望な若手が育っているようですので、併せて注目していきたいところです。

 

オリジナル曲だけでなくリミックスワークも豊富な氏。こちらは前回の記事でも取り上げた『Wish Upon A Star』でのコラボも記憶に新しい、David BoomahのトラックをRowpiecesがリミックスした一曲です。前述の曲に優るとも劣らない、センチメンタルな雰囲気が涙腺にきます。この二人のタッグはもっと聴きたいですね!期待しちゃいます。

 

曲数こそあまり多くはありませんが、Rowpiecesといったらヒップホップのトラックも挙げておきたい!こちらはFokuz Recordingsからのアルバム『Paradigm Shift - The Present LP』に収録の一曲です。非常に洗練されたヒップホップで、そのうちあちらのシーンに行ってしまうんじゃなかろうかと勘繰ってしまう程のクオリティです(笑)このアルバムはドラムンベースの合間に、時折このようなジャジーなヒップホップが挿入されることで緩急が効いて、リスニング向けにもぴったりな一枚になってます。

 

いかがだったでしょうか。AQUANAUTSでは今回ご紹介したような楽曲を、これでもかとばかりにプレイします。本記事をご覧になって「リキッドファンクって美味しいじじゃん!」と思った方は、ぜひぜひイベントにも足をお運び下さい。お待ちしてますm(_ _)m もっとリキッドファンクについて知りたい、聴いてみたいという方は、以前の記事にもお目通しいただければ幸いです。

サンプリングが楽しくなる!New Sonic Artsのループスライス・サンプラー『Vice』がオススメ。

ごきげんよう、みなさん。最近サンプリングしてますか?僕はといえば、それはもう根っからのサンプリング好きでして、ブレイクビーツはもちろん、インストだってどんどん切り張りして楽曲制作に使ってしまいます。古いソウルやジャズをネタ使いしたヒップホップやドラムンベースだって大好き!

 

そんな筆者にピッタリのサンプラーが、この度New Sonic Artsから発売されましたので、さっそくご紹介したいと思います。その名は『Vice』!ただのサンプラーと思うなかれ。このViceはサンプリング素材を手軽に扱うことに特化した設計になっていて、素材のカットアップ(切り張り)が本当に簡単にできちゃいます。特に目新しいことが出来るわけではありませんし、サンプラーとしては必要最低限の機能しかありません。(KONTAKTやHALionのような多機能・総合サンプラーには比べるべくもありません。)しかし、この「手軽さ」こそが本機最大のウリなのです!

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オーディオ編集やサンプラーを駆使して楽曲を作ったことのある方ならお解りかと思いますが、サンプリングはとにかく下ごしらえが大変です。素材を読み込んで、スライスポイントを設定して、サンプラーにアサイン(割り振り)してとやっていると、いざ準備が整ったころにはすっかりやる気が失せてしまった、なんてこともしばしば。つづきはまた明日にしようとDAWを閉じ、代わりにビールのプルタブを開けてしまった経験が、あなたにもきっとあるでしょう。

 

そういった諸々の手間から解放してくれるのがこの『Vice』なんですね。基本的な使い方は、好きな素材をドラッグ&ドロップで読み込ませるだけ。スライスやアサインも自動でおこなってくれるので、次の瞬間にはカットアップが演奏できます。もちろん後からスライス単位での調整や、スライスポイントの変更なども簡単にできますし、そのたびにアサインをやり直すような煩わしさもありません。

 

というわけで、筆者もViceを使って一曲作ってみました。Herbie Hancock『Speak Like a Child』に収録の「the Sorcerer」を元ネタに、Juke/Footwork的なトラックを組んでいます。併せて元曲も貼っておきますので、是非、聴き比べてみてください。

サンプリングしたのは0:38までの前テーマの部分ですが、元曲とは全く違った楽曲に生まれ変わっているのがお分かりいただけると思います。筆者自身も、自動でアサインされた鍵盤を前にフレーズを探りさぐり制作したので、実際にどの部分をどの様に使っているのか全く把握できていません(笑)こういったカットアップをオーディオ編集やサンプラーで組むとなると、かなりの手間ひまがかかりますが、Viceを使用することで通常の半分くらいの時間でループを組むことができ、なおかつ感覚的に作業することができました。カットアップの部分だけなら、読み込みから完了までおよそ2時間ほどで済んでいます。

 

手軽にカットアップが扱えるViceは価格も13,000円と控えめなので、サンプリングをよく使うヒップホップやドラムンベースなどのトラックメイカーに是非ともオススメしたい一品です。もっとViceのことをよく知りたいという方には、下記の動画やこおろぎさんちの紹介記事が詳しいのでご参照ください。最後までおつきあいいただき感謝!m(_ _)m

Suchmosはおじさんしか聴いていない?それでもいいじゃないか。

数日前からSNS上で、こちらの記事が話題になっています。昨年9月から放送されているホンダVEZELのCMに起用され「ブレイクした」とされる日本のバンドSuchmosを揶揄する内容です。この記事によれば、SuchmosはJamiroquaiっぽい懐古的なサウンドで、若者はその存在を知らないし、おじさんたちしか聴いていないとのこと。

ホンダVEZELのCMに使われているSuchmos - STAY TUNE

 

ちょっとだけ話が逸れますが、筆者は10代の頃から洋楽を主に聴いてきた、大の洋楽党です。洋楽を過大評価する傾向にある洋楽コンプレックスも自覚しています。邦楽、J-ポップはその時々で話題になっているものや、ラジオで聴いて気になったものをレンタルショップでチェックするくらい。そんな筆者が、久しぶりに「この日本のバンド、イイな!」と思わされたのがSuchmosでした。

 

言われてみれば筆者も三十代半ばであり、Jamiroquaiをはじめとしたアシッドジャズ・ムーブメントに夢中になった世代です。彼らのファーストアルバム『THE BAY』を聴いたとき、その懐かしいサウンドに思わずニヤリとしてしまったのもまた事実。これらのことを踏まえてみれば、なるほど、先の記事で指摘されていることは、あながち間違いではないかもしれません。

 

しかし、Suchmosが本当にブレイクしているかどうか、若者に人気かどうかは、正直どうでもいいのです。彼らの支持層が30代40代のおじさんであっても良いではありませんか。むしろ、長らく音楽消費の主体とされてきた10代以外のリスナーを、彼らが新たに開拓したのであれば、それはマーケティングとして成功したと言えます。

 

Suchmosを追いかけていて気づいたのですが、今、日本ではアシッドジャズの影響を感じさせるバンドが数多く出てきています。アシッドジャズというキーワードを持ち出すと、日本では必ず「渋谷系」に行きつきますが、昨今の活況は、当時の渋谷系以上と言えるかもしれません。若いころ渋谷系にハマった人も、この手のサウンドが好きな人も、この状況を楽しまないともったいない!今回はそんな方々に向けて、Suchmosに連なるバンドを紹介してみようと思います。

 

Suchmosと並ぶオシャレバンドの代名詞cero。Suchmosより控えめなBPMの楽曲が多く、高城晶平さんのラップ的な歌唱も相まって、ヒップホップの影響を色濃く感じさせます。Robert Glasperをはじめとする「今ジャズ」とのリンクを匂わせる楽曲もチラホラ。

 

今ジャズの話が出たところでWONKも紹介しておきましょう。今回取り上げる中では、Robert Glasperに最も近いサウンドで、L.Aビート・シーンとのリンクも感じさせます。彼らに関してはアシッドジャズというより、今ジャズのバンドといった方がしっくりくるかもしれません。

 

シンガーソングライターJQを中心とした覆面バンド(実際はJQ以外のメンバーが固定していないだけのようですが)。Suchmosが和製Jamiroquaiならば、さしずめNulbrichは和製Maroon 5といったところでしょうか。このリードトラックはMaroon 5 - Sunday Morningを彷彿とさせますね。

 

今回、紹介する中では一番ポップでキャッチーなLUCKY TAPES。アシッドジャズ色はやや薄めですが、その分、バラエティに富んだ楽曲が楽しめます。渋谷系の中でピチカート・ファイヴ小沢健二さんが好きだった方には、このバンドが一番入りやすいかもしれません。

 

筆者はボカロ界隈でも活動しているので、ボカロPの中からも一人ご紹介させてください。ボカロPいちのアシッドジャズの名手、りょう@シャレオツPさん。Jamiroquaiへのリスペクトを公言されていて、楽曲の至る所にそのオマージュが見て取れます。

 

いかがだったでしょうか。繰り返しになりますが、J-ポップにおいて今のような和製アシッドジャズの隆盛は、そうあることではないと思います。この手のサウンドがお好きな方には、是非ともこの機会を逃さず、リアルタイムで聴いていただきたい。そして、音楽メディアの方には、この活況をムーブメントと呼べるところまで育てていただきたいです。「アシッドジャズ」「渋谷系」に替わる、新たなワードの登場を期待しています!

#AQUANAUTS vol.17とベスト・リキッドファンク・トラックス2016!

筆者がレジデントDJとして参加する『AQUANAUTS vol.17』が、明日1/21(土)16時から早稲田は茶箱にて開催されます。今回はmedschoolのコンピ『New Blood 016』に楽曲が収録されたoshirijimaさん、HI≒ROさん、GEXIさんが、はるばる北九州から駆けつけてくれますよ!僕は、東方ジャズやボカジャズで活躍されているサックスプレイヤーのoz_hiroさんをお迎えして、DJ×アドリブプレイのセッションスタイルに挑戦!AQUANAUTSレギュラー陣もB2Bで盛り上げていくぞい!盛り沢山の新年一発目ゆめゆめ見逃すなかれよ(๑˃̵ᴗ˂̵)و

 

 

さて、まいどAQUANAUTSの告知とともにお届けしているリキッドファンク・コラムですが、今年ももちろん続けます。全ては「リキッドファンク?なにそれおいしいの?」という方を少しでも減らすために!本コラムではその魅力を少しでもお伝えすべく、様々な切り口でリキッドファンクをご紹介しています。今回は2016年リリースの楽曲の中から、筆者がコレは!と思う5曲をピックアップしてみました。

 

本ブログでは何度も取り上げているので、もはや耳タコな方もいるかもしれません。リキッドファンクの貴公子Lenzman!この曲は、彼が立ち上げたレーベル『The North Quarter』の記念すべき一曲目です。昨年は、古巣MetalheadzでのEPリリースから始まり、新レーベルの設立、この曲が収録された『All For You EP』のリリースと目覚ましい活躍を見せたLenzmanですが、早くも次なるNew EPのリリースがアナウンスされています。10年の歴を数えるベテランながら、まだまだ衰えを見せない彼から、ますます目が離せませんね!

 

プロデューサー歴ならLenzmanにも引けを取らないLSBに向かって、こんなことを書くのは少々気が引けますが、 Soul:rからリリースされたアルバム『Content』はポストLenzmanと呼ぶに相応しい、抒情的で美しい作品になっています。ピアノやストリングスの旋律が印象的な本作は、是非アルバムで聴いてほしい一枚。個人的にはLenzman『All For You EP』をもしのぐ、2016年のベストアルバムです!

 

昨今のドラムンベースシーンにおいてメキメキと存在感を増しているボーカリストZara Kershawを迎えた、アルバム『Better Perspective』のリードトラック。Shogun Audioといえば、SpectraSoulやAlix Perezといったディープ・リキッドの名手がいますが、Technimaticはそれを見事に継承、進化させたサウンドを聴かせてくれます。

 

 

90年代から活躍するベテランシンガーDavid BoomahとRowpiecesによるLiquid Vマナー全開な一曲です(リリースはForward Everからですが)。R&Bテイストのソウルフルな楽曲は、これぞリキッドファンクといったカンジで、ピークタイムからエンディングにもってこい。アッパーながらロマンチックな雰囲気が充満してますね。
 

これまたベテランシンガーElisabeth Troyをボーカルに迎えた、ピークタイムが似合う一曲。Metrikとのコンビは『Want My Love』以来になりますかな。筆者は彼女のボーカルが大好きなので(MJ Cole『Crazy Love』とか!)それだけでもご飯三杯はイケてしまうのですが、それを差し引いても、この曲が醸し出すアンセム感たるや…。昨年のベスト・トラックを挙げるのであれば、この曲になりそうです。

 

いかがだったでしょうか。AQUANAUTSでは今回ご紹介したような楽曲を、これでもかとばかりにプレイします。本記事をご覧になって「リキッドファンクって美味しいじゃん!」と思った方は、ぜひぜひイベントにも足をお運び下さいm(_ _)m もっとリキッドファンクについて知りたい、聴いてみたいという方は、以前の記事にもお目通しいただければ幸いです。

 

#AQUANAUTS vol.16 とMr Josephのこと。

筆者がレジデントDJとして参加する『AQUANAUTS vol.16』が、いよいよ今週末11/19(土)16時から早稲田は茶箱にて開催されます。今回は3周年記念!というこで、イベントのスターティングメンバーであるTacKun.と、もはや準メンバーといっても過言ではない、関西を代表するドラムンベースDJ 101さんが、はるばる駆けつけてくれます。ゆめゆめ見逃すなかれよ(๑˃̵ᴗ˂̵)و

 

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さて「Liquid Funk & Lounge Drum&Bass」をテーマとしたAQUANAUTSも3周年を迎えますが「リキッドファンク?なにそれおいしいの?」という方、まだまだいらっしゃると思います。ご安心ください。本コラムではそんな方に向けて、その魅力を少しでもお伝えすべく、様々な切り口でリキッドファンクをご紹介しています。今回は、前回のLenzmanに引き続きプロデューサーに目を向けてみましょう。取り上げるのはLIQUID VとFizzy Beats、ふたつのレーベルを軸に精力的なリリースを続けるロンドンの俊英Mr Josephです!

Fizzy Beatsからの最新EP『Heartless』はMr Josephにしては珍しく、ややディープ寄りなサウンド

 

仲間と始めたイベントが、レーベルにまで発展したFizzy Beats。この楽曲はそのFizzy Beatsから09年にリリースされた、Mr Josephの記念すべきファーストシングルです。彼のプロデューサーとしてのキャリアがここから始まりました。幼いころから親しんできたというジャズ、ソウル、ファンクのフレーバーをふんだんに効かせた彼らしいスタイルが、すでにこの頃から確立していますね。

 

名門LIQUID Vからリリースされたコンピ『Club Sessions Vol.4』に収録の「Wonderful Feeling」はリキッドファンクの特大アンセムであり、彼の出世作になりました。定番のアーメンビーツにソウルフルなボーカルが乗る、個人的にも大好きな一曲。12年のリリースという事でやや懐かしい曲になってきましたが、間違いなくドラムンベース史に残る永遠の名曲でしょう!

 

あまりリミキサーとしての仕事を見かけないMr Josephですが、これは彼が手掛けた数少ないリミックスの中でも極上の一曲ではないでしょうか。彼の手腕が存分に発揮されたDJ Zinc & MC Fats - Move That Soundは、もはや原曲とはまったくの別物!(笑) DJ Zincの無骨なハウスがどうしてこうなった!?っという野暮なツッコミは置いといて、このような素晴らしいサウンドを届けてくれる彼に、筆者はただただこうべを垂れるのみです。

 

いかがだったでしょうか。AQUANAUTSでは今回ご紹介したような楽曲を、これでもかとばかりにプレイします。本記事をご覧になって「リキッドファンクって美味しい!」と思った方は、ぜひぜひイベントにも足をお運び下さい。お待ちしてますm(_ _)m もっとリキッドファンクについて知りたい、聴いてみたいという方は、以前の記事にもお目通しいただければ幸いです。