#AQUANAUTS vol.16 とMr Josephのこと。

筆者がレジデントDJとして参加する『AQUANAUTS vol.16』が、いよいよ今週末11/19(土)16時から早稲田は茶箱にて開催されます。今回は3周年記念!というこで、イベントのスターティングメンバーであるTacKun.と、もはや準メンバーといっても過言ではない、関西を代表するドラムンベースDJ 101さんが、はるばる駆けつけてくれます。ゆめゆめ見逃すなかれよ(๑˃̵ᴗ˂̵)و

 

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さて「Liquid Funk & Lounge Drum&Bass」をテーマとしたAQUANAUTSも3周年を迎えますが「リキッドファンク?なにそれおいしいの?」という方、まだまだいらっしゃると思います。ご安心ください。本コラムではそんな方に向けて、その魅力を少しでもお伝えすべく、様々な切り口でリキッドファンクをご紹介しています。今回は、前回のLenzmanに引き続きプロデューサーに目を向けてみましょう。取り上げるのはLIQUID VとFizzy Beats、ふたつのレーベルを軸に精力的なリリースを続けるロンドンの俊英Mr Josephです!

Fizzy Beatsからの最新EP『Heartless』はMr Josephにしては珍しく、ややディープ寄りなサウンド

 

仲間と始めたイベントが、レーベルにまで発展したFizzy Beats。この楽曲はそのFizzy Beatsから09年にリリースされた、Mr Josephの記念すべきファーストシングルです。彼のプロデューサーとしてのキャリアがここから始まりました。幼いころから親しんできたというジャズ、ソウル、ファンクのフレーバーをふんだんに効かせた彼らしいスタイルが、すでにこの頃から確立していますね。

 

名門LIQUID Vからリリースされたコンピ『Club Sessions Vol.4』に収録の「Wonderful Feeling」はリキッドファンクの特大アンセムであり、彼の出世作になりました。定番のアーメンビーツにソウルフルなボーカルが乗る、個人的にも大好きな一曲。12年のリリースという事でやや懐かしい曲になってきましたが、間違いなくドラムンベース史に残る永遠の名曲でしょう!

 

あまりリミキサーとしての仕事を見かけないMr Josephですが、これは彼が手掛けた数少ないリミックスの中でも極上の一曲ではないでしょうか。彼の手腕が存分に発揮されたDJ Zinc & MC Fats - Move That Soundは、もはや原曲とはまったくの別物!(笑) DJ Zincの無骨なハウスがどうしてこうなった!?っという野暮なツッコミは置いといて、このような素晴らしいサウンドを届けてくれる彼に、筆者はただただこうべを垂れるのみです。

 

いかがだったでしょうか。AQUANAUTSでは今回ご紹介したような楽曲を、これでもかとばかりにプレイします。本記事をご覧になって「リキッドファンクって美味しい!」と思った方は、ぜひぜひイベントにも足をお運び下さい。お待ちしてますm(_ _)m もっとリキッドファンクについて知りたい、聴いてみたいという方は、以前の記事にもお目通しいただければ幸いです。

#AQUANAUTS vol.15 とLenzmanのこと。

筆者がレジデントDJとして参加する『AQUANAUTS vol.15』が、いよいよ今週末9/17(土)16時から早稲田は茶箱にて開催されます。今回のゲストは日本を代表するドラムンベースDJ、クリエイターのVelocityさん。ゆめゆめ見逃すなかれ!

 

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さてさて、AQUANAUTSは「Liquid Funk & Lounge Drum&Bass」をテーマとしたイベントですが「そもそもリキッドファンクってどんな音楽なの?」という方もいらっしゃると思います。本コラムではそんな方に向けて、その魅力を少しでもお伝えすべく、様々な切り口でリキッドファンクをご紹介しています。今回は、先ごろ自身のレーベル『The North Quarter』を立ち上げたばかりの、オランダの俊英Lenzmanの足跡を辿ってみましょう。

 
Lenzman - Ever So Slightly

 2008年にIntegral RecordsからリリースされたLenzmanの出世作。当時ディープ系のドラムンベースに傾倒していた僕にとっては、Lenzmanとの出会いと共に、リキッドファンクとの再会となった作品でもあり、非常に思い入れが強い一曲です。James Brown - Sunnyのイントロ部分をサンプリングした印象的なピアノリフが郷愁を誘う、リキッドファンク史に残る間違いのない金字塔であります!

 

Lenzman - Open Page (Feat. Riya
Lenzman - How Did I Let U Go (feat. Riya)

 Lenzmanといえば、Riya嬢をボーカルに迎えた楽曲が、まっ先に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか?2010年に老舗Metalheadzからのファーストリリースとなった『Open Page』と、続く2012年リリースの『How Did I Let U Go』は、Lenzmanをこのレーベルの代表的存在にまで押し上げた特大アンセムです。

 

Lenzman - Just Can't Take (Ft. DRS)

そしてそのMetalheadzから、満を持して届けられたのが2014年リリースの1stアルバム『Looking At The Stars』です。今回はその中からDRSをMCに迎えた『Just Can't Take』をピックアップ。DRSとのタッグは先述のThe North Quarterからリリースされる最新EP『All For You』にも新曲が収録されるようなので、今から楽しみですね!

 

いかがだったでしょうか。AQUANAUTSでは今回ご紹介したような楽曲を、これでもかとばかりにプレイします。本記事をご覧になって「リキッドファンクって良いかも!」と思った方は、ぜひぜひイベントにも足をお運び下さい。お待ちしてますm(_ _)m もっとリキッドファンクについて知りたい、聴いてみたいという方は、以前の記事にもお目通しいただければ幸いです。

#AQUANAUTS vol.14 とHospital Recordsのこと。

筆者がレジデントDJとして参加する『AQUANAUTS vol.14』が、いよいよ今週末7/16(土)16時から早稲田は茶箱にて開催されます!

 

 AQUANAUTSは「Liquid Funk & Lounge Drum&Bass」をテーマとしたイベントですが「そもそもリキッドファンクってどんな音楽なの?」という方もいらっしゃると思います。本コラムではそんな方に向けて、その魅力を少しでもお伝えすべく、またこれをお読みいただくことで、より一層AQUANAUTSをお楽しみいただけるよう、様々な切り口でリキッドファンクをご紹介しています。今回も前回に引き続き、レーベルに目を向けてみましょう。

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今回取り上げるレーベルは「Hospital Records」!!!1996年にLondon Elektricityにより西ロンドンに設立された本レーベルは、リキッドファンクの老舗中の老舗であり、現ドラムンベースシーンを牽引する最重要レーベルといっても過言ではありません。そんなビッグレーベルを何故これまで取り上げずにきたのかといえば「私なんぞがHospitalについて語ってよいものか」という畏敬の念ゆえに他なりません。しかしながら、このレーベルを通らずしてリキッドファンクを語ることができないのもまた事実。覚悟を決めて精一杯紹介させていただきますm(>ω<)m

 

Netsky - Rio ft. Digital Farm Animals

 

 Hospitalといえば、まずはこの人!先日、ソニー・ミュージックエンタテインメント傘下のEPICからメジャーデビューを射止めた、レーベルいちのヒットメイカーNetsky。数多のアンセムをもつ彼ですが、今回は昨年にリリースされAQUANAUTSでも頻繁にプレイされていたブラジリアン・リキッド『Rio』を挙げておきましょう。夏にぴったりのこの曲、今度のイベントでもきっと誰かがプレイしてくれるハズ!

 

Fred V & Grafix - Ignite (feat. Amy J Pryce)

 

 Netskyと共に一時代を築いたCamo & Krookedや、若手筆頭のFred V & Grafix、Liquicity Recordsから大抜擢されたシンデレラボーイMadukなどなど、本レーベルにはチェックすべきフレッシュな才能が山ほどおります。そんな中から、リリースされたばかりのFred V & Grafixのアルバム『OXYGEN』に収録された『Ignite (feat. Amy J Pryce)』をピックアップしてみました。現Hospitalを象徴するサウンドといえると思います。

 

High Contrast - If We Ever

 

 若手だけでなくベテラン勢の層も非常に厚いHospital。オーナーであるLondon Elektricityをはじめ、Danny Byrd、Nu:Tone、Logisticsなどなど枚挙にいとまがありませんが、中でも特に00年代を牽引し、そのレーベルイメージを方向づけた立役者といえばこの人High Contrastではないでしょうか?氏のトラックの中から、筆者が特に好きなオールドスクールフィール色濃いこの曲を挙げて、絞めとさせていただきます。

 

いかがだったでしょうか。AQUANAUTSでは今回ご紹介したようなトラックを、これでもかとばかりにプレイします。本記事をご覧になって「リキッドファンクって良いかも!」と思った方は、ぜひぜひイベントにも足をお運び下さい。お待ちしてますm(_ _)m もっとリキッドファンクについて知りたい、聴いてみたいという方は、以前の記事にもお目通しいただければ幸いです。

#AQUANAUTS vol.13 とFokuz Recordingsのこと。

 今週末5/21(土)16時から早稲田は茶箱にて開催されるリキッドファンクイベント『AQUANAUTS vol.13』にてDJします!

 本コラムではリキッドファンクって何なのさ?という方に向けて、その魅力をお伝えすべく、あわよくばイベントにも遊びに来て!という願いも込めて、色んな切り口でリキッドファンクをご紹介しています。前回ご紹介した「Liquid V」に引き続き、今回もレーベルに目を向けてみましょう。

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今回取り上げるレーベルは「Fokuz Recordings」AQUANAUTSでも毎回ひんぱんにプレイされる、リキッドファンクでは定番の人気レーベルです。1999年にDreazzとDrum Originsにより立ち上げられたオランダのレーベルであり、ドラムンベースの本国であるUKとはまた一味違ったサウンドが楽しめます。一概に言えない部分もありますが、特にジャズやクロスオーバーからの影響が色濃く、大人っぽい落ち着いた雰囲気のトラックが多い印象です。

 

Drum Origins - Infinite Orbit

99年にリリースされたFokuz Recordingsの記念すべき1枚目はDrum Originsによるもの。この頃にはまだ「リキッドファンク」というワード自体が生まれておらず、90年代に猛威をふるったアートコアの影響が色濃く見えますね。

 

Flowrian - Jasmine
Rowpieces & Pulsaar - Soap Bubbles On You

現在のFokuzを語る上で外せないのがFlowrian、Rowpieces、Pulsaarの三名のプロデューサーです。この御三方はぜひ覚えて帰っていただきたい!各々の活動も然ることながら、合作で発表するトラックは特に完成度が高く、フロアでプレイすればそこは真夜中ミッドナイト。夕方に開催されているAQUANAUTSだって、たちまち夜の雰囲気になってしまいます。上記の2曲が気にいったという方は、Paul SG率いるJazzsticks Recordingsも併せてチェックしてみてね!

 

Kasper & Satl - Mr Funky 

とはいえ、大人っぽい、大人しいばかりのレーベルではございません。中にはこんなブンブンベースが地響きのごとく鳴り響くディープローラーチューンもあり、フロアでの機能性もしっかりと追求してくれています。聴いてよし、踊ってよしの超優良レーベルですよ!(このトラックが気にいった方は、本レーベルからもリリースのあるプロデューサーImpishを併せてチェック!)

 

AQUANAUTSでは今回ご紹介したようなトラックを、これでもかとばかりにプレイします!本記事をご覧になって「リキッドファンクって良いかも!」と思った方は、ぜひぜひイベントにも足をお運び下さい。お待ちしてますm(_ _)m もっとリキッドファンクについて知りたい、聴いてみたいという方は、以前の記事にもお目通しいただければ幸いです。

#AQUANAUTS vol.12 とLiquid Vのこと。

 今週末3/17(土)16時から早稲田は茶箱にて開催されるリキッドファンクイベント『AQUANAUTS vol.12』にDJとして出演させて頂きます!

 本コラムではリキッドファンクって何なのさ?という方に向けて、その魅力をお伝えすべく、あわよくばイベントにも遊びに来て!という願いも込めて、色んな切り口でリキッドファンクをご紹介しています。これまでプロデューサーやボーカリスト、アンセム等をキーワードに楽曲を紹介してきましたが、今回は少し趣向を変えてレーベルに目を向けてみたいと思います。

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 今回取り上げるレーベルは「Liquid V」2004年にドラムンベースの老舗V Recordings傘下に設立されたリキッドファンクレーベルです。サブレーベルとはいえ、その影響力は誰もが知るHospital Recordsにも引けを取らず、シーンの屋台骨を担う存在であると言えるでしょう。一昨年リリースされた設立10周年を記念するコンピレーション『LV:X』は、本レーベルを代表するアンセムばかりを収録しリマスタリングを施した、一家に一枚の必携盤です!もはや、このコンピを聴いていただければ語る言葉もないくらいなのですが、それでは当ブログを覗いていただいた甲斐がありませんので、僭越ながら筆者のオススメのトラックをいくつかご紹介したいと思います。

Lv:x - Ten Years Of Liquid V

Lv:x - Ten Years Of Liquid V

 

Mr Joseph - I Still Love You

 当ブログではもう何度も取り上げているMr Joseph、そろそろ「もういいよ!」なんて声が聞こえてきそうですが、筆者にとっては彼こそ現リキッドファンクシーンの立役者。いくら紹介しても足りないぐらい好きなプロデューサーなのです。彼が「Liquid V」からリリースした『Floating Island EP』は間違いなくシーンの金字塔になることでしょう!

 

Peshay - Fall for You ft Natalie Reece

 ドラムンベース黎明期から活躍する大御所Peshayによる『Funkster EP』はLiquid Vに相応しいソウルネスとブラックネスに溢れた快作!この作品が前述の『Floating Island EP』に続けてリリースされた時には本当に驚かされました。エポックメイキングな作品は図らずも同時期に集まるのか、はたまたレーベルオーナーであるBryan Geeの策略か。どちらにせよ、2013年のLiquid Vには何かが宿っていたとしか思えません(° ꈊ °)✧キラッ

 

Paul SG - Stay Classy feat T.R.A.C

それから、MC T.R.A.Cをフィーチャーしたストリート感のある楽曲もこのレーベルらしさがよく出ていると思います。楽曲数としてはそれほど多いわけではないものの、Paul SGとの本作や、Mr Joseph - Soul GirlDave Owen - The Party's ArrivedSubmorphics - Higher Ground等など、いずれも名曲揃いです!

 

Makoto & Danny Wheeler - Midnight Hour

 そんな、現リキッドファンクシーンを牽引するLiquid Vですが、日本を代表するドラムンベースプロデューサーMAKOTOさんも、Danny Wheelerとのシングルをこの間リリースしたばかり!これからもますます目が離せない存在なのです。

 

AQUANAUTSでは今回ご紹介したようなトラックを、これでもかとばかりにプレイします!本記事をご覧になって「リキッドファンクって良いかも!」と思った方は、ぜひぜひイベントにも足をお運び下さい。お待ちしてますm(_ _)m もっとリキッドファンクについて知りたい、聴いてみたいという方は、以前の記事にもお目通しいただければと思います。

#AQUANAUTS vol.11とベスト・リキッドファンク・トラックス2015!

今週末1/16(土)16時から早稲田は茶箱にて開催されるリキッドファンク&ラウンジ・ドラムンベースイベント『AQUANAUTS vol.11』にDJとして出演させて頂きます!

AQUANAUTSの告知と共に恒例となっておりますリキッドファンク紹介コラム。今回は年始ということで、昨年リリースされたリキッドファンクの中から筆者の個人的ベスト5を紹介させていただこうと思います!

 

Fade feat. LaMeduza - Quicksand

 ポーランドのプロデユーサーFadeの一曲。この曲がリリースされるまで筆者は全くのノーマークでして、ボーカリストのLaMeduzaの客演がなかったらスルーしてしまう所でした。ディープ系でキャリアを積んできたプロデューサーらしく、ディープかつソリッドなトラックにブルージーなボーカルが映えてますね。

 

Riya - Fear Bites ft. Dynamite MC

ドラムンベースの歌姫RIYA嬢のアルバム『Sublimation』からのリードトラック。客演にDynamite MC迎えて放つトラックは、Roni Size / Reprazentの金字塔「Brown Paper Bag」をオマージュするかのようなベースライン。しかもDynamite MCのリリックの出だしは「Step to the rhythm made of brown…」って…!これを聴いた瞬間、心臓を掴まれる想いがしました。ニクイ演出しやがってからに!(๑˃̵ᴗ˂̵)و

 

Break Ft. Celestine - Hope

大御所Breakのアルバム『Simpler Times』から、長年の相方であるCelestineがボーカルを務める一曲。Break御大はニューロファンク寄りなプロデューサーではありますが、アルバムには必ずこのようなソウルフルなボーカルトラックが数曲入っており、その懐の深さを伺わせます。(特に師のRemixワークなどでは、ゴージャスなリハーモナイズを聴く事ができ、ジャズへの造詣の深さを感じますね。)

 

Loadstar - Native

この曲も全くの瓢箪から駒でした。Loadstarといったらロッキン&サイバーを得意とするプロデューサーだとばかり思っていたら、こんな爽やかな曲も書けるんですね!哀愁のあるトラックの上で、高らかに歌いあげるボーカルに、思わず空を仰いでしまいそうです。Etherwoodを想わせるジャケットアートに、やや作為的なものを感じてしまいますが…(笑

 

Calyx & TeeBee - Long Gone

ベテランユニットCalyx & TeeBeeによるギターとウッドベースのリフが印象的な一曲。「Elevate This Sound」から続投のこのシブいボーカリストは誰なんだろうなと思って調べてみたら、なんとCalyxご本人なんだそうです!こんなにカッコイイ曲が作れる上にイケボとか!今後はCalyx御大のボーカリストとしての活動にも注目しなければいけませんね(✧Д✧) カッ!!

 

いかがだったでしょうか?リキッドファンクと言っておきながら、今回ご紹介した曲のほとんどはディープ系スレスレの所かもしれません。昨年の筆者は気づけばジャズ寄りなFokuz Recordingsばかりプレイしているという体たらくでしたので、自戒を込めてという個人的な理由もちょっとだけありますが、昨年はディープな歌モノが特に豊作だったように思います。

 

新年明けて一発目のAQUANAUTSでは、今回ご紹介したトラックも積極的に使っていきますので、ぜひぜひイベントにも足をお運び下さい。お待ちしてます!m(_ _)mもっとリキッドファンクについて知りたい、聴いてみたいという方は、よろしければ以前の記事にもお目通し下さい。

2015年イチオシアルバムベスト5!

2016年、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします!m(_ _)m

 

昨年を振り返ってみれば、日本の音楽業界はサブスクリプションサービス元年と言える年でしたね。米IT御三家AppleGoogleAmazonや、ポピュラーミュージックのメインリスナー層である10代、20代を多く抱えるLine、エイベックスとサイバーエージェントが仕掛けるAWAなどのサービスインで、その様相は早くも百花繚乱。その普及率はまだまだ芳しいとは言えないようではありますが…。

しかしながら、 こうしたサブスクリプションサービスの登場が、今後の音楽流通に大きく影響してくるであろうことは自明の理。SpotifyやPandoraといったサービスが猛威を振るう欧米市場では、早くもCDでのリリースがない作品が増えてきました。筆者がチェックしていたものの中では、2014年のメジャーデビューアルバムでポップシーンを沸かせたFKA twigsの最新EP『M3LL155X』や、ドラムンベースの大御所Breakの『Simpler Times』、ドラムンベース発のヒップホップユニットIvy Labの1st LP『20/20』などなど。これらはいずれもレコードとダウンロードでの販売となっており、洋楽のCDメディアからの脱却がいよいよ始まった事を実感させられました。

 

そんな世相に逆行するかのように、筆者が購入した2015年リリースのCDアルバム30枚!今回はその中から、厳選に厳選を重ねたベスト5をご紹介したいと思います。

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Lynx / I Am Lynx

ドラムンベースの革命児Lynxが老舗Hospital Recordsから放った渾身の一作。これまでのLynx関連作に比べると全体にポップさが増した印象ですが、彼らしい捻れ具合と、オールドスクールへの憧憬も相まって絶妙なバランスに仕上がっています。昨年11月にリリースされたRockwell『Obsolete Medium』とも共通する、シンプルでシンボリックな音像は、今後のドラムンベースシーンの行方を左右する作品になるかも?

I Am Lynx

I Am Lynx

 

 

Swindle / Peace Love And Music

ダブステップの名門Deep Mediからの1st『Do The Jazz』が大きな波紋を呼んだSwindle。そんな彼の2ndはダブステップのフォーマットを踏襲しながらも、ジャズやソウルのフレイバーをふんだんに盛り込んだ、ポピュラーミュージックシーンにもリーチする内容になってます。先に紹介したLynx『I Am Lynx』もそうですが、昨年あたりからUKベースミュージックには「ポップ」というキーワードが見え隠れするようになったと筆者は感じており、これもまたエポックメイキングな作品になりそうです。

ピース・ラヴ・アンド・ミュージック

ピース・ラヴ・アンド・ミュージック

 

 

Modestep / London Road

ロックとダブステップを融合させたバンドModestepの2nd。本作のインタビューで彼らのリーダー的存在であるJosh Friendが「かつて俺たちを刺激したアーティストたちと作りたかったんだ。そのころのヴァイブを取り戻したかった。」と語っている通り、FuntCaseやTeddy Killerz、Culprateといったダブステップの中でも特にブロステップ(Brostep)と呼ばれるジャンルのプロデューサーが名を連ねています。しかし、本作はそんなアプローチとは裏腹に、懐古主義におちいることなく、よりアグレッシブでストリート感覚にあふれたModestepの新たなる一面を描き出すことに成功していると思います。

London Road

London Road

 

 

 

Dego / The More Things Stay The Same

00年頃にウエスト・ロンドンを中心に興ったブロークン・ビーツ。本作はそのムーブメントのオリジネイターであるDegoのソロ名義での2作目にあたります。これまで氏の関連作を聴いてきた筆者にとっては、これといった目新しさこそないものの、時代に合わせた音像で自身のサウンドを着実にアップデートする堅実な内容。昨今のUKガラージの再興やフューチャーベースの勃興、新世代ジャズの盛り上がりなどと相まって、そのフューチャリスティックなサウンドは、むしろ今こそ新鮮に響くのではないでしょうか。

The More Things Stay The Same (ザ・モア・シングズ・ステイ・ザ・セイム)

The More Things Stay The Same (ザ・モア・シングズ・ステイ・ザ・セイム)

 

 

 Jlin / Dark Energy

ジューク/フットワークがPlanet Mu のコンピ『Bangs & Works Vol.1』で世界的に認知されるようになってから今年で5年。キーパーソンであるDJ Rashadを喪って、やや停滞気味だったシーンが新たな才能を送り出してきました。そのサウンド最大の特徴は、アフロ・アメリカンである彼女のルーツを想起させる、アフリカンパーカッションの大胆な導入にあると思います。元々アフロ・ポリリズムがジュークの技術的要素でもありましたので、これは相性が良くないハズありません。またCLAP! CLAP!やNozinjaが世界的な注目を集める昨今、2016年はエキゾチカがより一層の盛り上がりを見せるかもしれませんね!

Dark Energy [ボーナストラック収録+インタビュー付き]

Dark Energy [ボーナストラック収録+インタビュー付き]